
先日、流行性角結膜炎を発症したお話をしました。
ものすごい感染力な上、治りにくい病気です。
ベーチェット病の場合、
眼病変でも目の充血が起こりますから、
もしかして? と違和感を感じて受診することもあるでしょう。
幸い、受診後の結果は、
ベーチェット病ではなく、流行性角結膜炎でした。
しかし、5日経っても治らない。
実際の充血具合をお見せします。
びっくりするほど真っ赤です。
眼球そのものがむくんでいる感じがして、
まばたきのたびに痛みます。
おまけにまぶしい。
治らないなと思っていたら、
首筋のリンパが腫れ、
のどの痛みを感じるようになりました。
再び受診したところ、
流行性角結膜炎と診断されてそうした症状を併発した場合、
プール熱の疑いがあるとのこと。
プール熱と聞くと、
プールで移った病気では? と思いますよね。
しかし、これもウイルスの仕業で、
主な症状は、高熱(38度以上)・のどの痛み・全身のだるさなど。
もちろん、目の充血も起こります。
眼科では、流行性角結膜炎と診断されたと伝え、
内科での治療をしてくださいといわれました。
プール熱の別名は、咽頭結膜熱です。
まさにその名の通り、
咽頭部の腫れや痛みとともに、
結膜炎を起こす疾患となります。
流行時期は、春から夏にかけて多く、
発症しやすい年代は1~5歳です。
しかし、ウイルス感染者が家族にいる場合、
飛沫や接触によって容易に感染してしまいます。
1人発症し、治った頃にもう1人、
そして落ち着いた頃にもう1人と長引きます。
従って、家族全体で治ったといえるのは、
1ヶ月先ということも想定できるでしょう。
インフルエンザよりタチが悪いのは、
充血には点眼薬をこまめにするしか方法がないことです。
インフルエンザは、タミフルやイナビルなどで高熱が落ち着き、
割と早期に回復するものです。
ただし、解熱後3日(大人は2日)までは外出が禁止です。
プール熱に関しては、目の充血が取れて、
感染力がないと診断されるまで行けません。
目の充血はご覧の通り、かなり広範囲で重症です。
周囲の人にびっくりされるほどです。
見ていただいたのが、点眼開始から5日目です。
どれだけしつこい病気かがわかりますよね。
原因となっているのは、アデノウイルスというもので、
風邪を起こしているウイルスの1つです。
ごく一般的なウイルスでありながら、
こうした部位に影響を及ぼす可能性もあるということを、
私たちは知識として知っておかなければなりません。
ここで、ベーチェット病の眼病変について触れたいと思います。
ベーチェット病で眼の病変が現れる時は、
目やにが出ない充血から始まります。
そして、目の痛みを感じるのはだいぶ先です。
詳しい検査は、眼底検査などを行う必要があります。
眼病変が起こった後は、白内障になるリスクも高まります。
防ぐためには、定期的に眼科を受診し、
病変の早期発見と早期治療が必要です。
理想として、
年1回は何もなくても眼科を受診すること。
できるなら、
精密検査ができる設備を整えた病院を選んでください。
町のクリニックでは限界があります。
私も今回の流行性角結膜炎になったことで、
久しぶりに眼科で検査を受けました。
何もなくて本当に良かったです。
治らないことはさておき……。
さて、プール熱についてですが、
潜伏期間というものがあります。
5日から1週間は要注意です。
のどの炎症がひどい場合、扁桃炎を併発する可能性もあり、
高熱が下がらないで辛いという方もいます。
しかし、ここで注意事項があります。
熱・のどの腫れは同時に出ても、
結膜炎を併発しない例もあるということ。
すべてが一致すれば診断も早い。
ですが、そうではない事例もあるのです。
今のところ、目の充血には点眼薬。
リンパの腫れには抗生物質という治療になっています。
ところが、アデノウイルスそのものには、
抗生物質は効果がありません。
抗生物質は細菌を殺す役割を持っていますが、
ウイルスは対象外です。
つまり、ウイルスに勝てる体を取り戻さないと、
回復は見込めないということでしょう。
アデノウイルスはどこにでもある病原菌で、
風邪から進行してプール熱になる場合もあります。
乳幼児は特に注意が必要で、
それを看護するお母さん方もより慎重な姿勢が求められます。
長引く病気ですが、
治癒しないことはありません。
ただ、高熱は4日以上継続する場合もあり、
熱せん妄などには気をつけてください。
ベーチェット病の私は、プール熱になったと同時に、
口内炎が多発するようになって、
口中がしみてものが食べられない事態となりました。
アフタ性潰瘍とは違う、
つぶつぶした口内炎です。
ただれというのが正しいでしょう。
いずれも、体調不良のサインです。
プール熱や流行性角結膜炎が治ったと思っても、
きちんと眼科や内科で治癒証明書をもらってください。
学校や保育園は提出が義務です。
会社は有給休暇を使わずに済む場合もあり、
治癒証明で有利になるでしょう。
この病気の面倒なところは、
症状消失後も1ヶ月くらいはウイルスを排出しているということ。
普通の生活をしていても、
誰かに移す可能性はゼロではありません。
ですから、せめて症状が落ち着くまでは、
外出を控えて周囲への配慮をしましょう。