
特定疾患には、医療費助成制度があります。
医療費助成制度を利用するためには、
医師に臨床調査個人票というものを書いてもらわなくてはいけません。
これは、自治体の保健所から規定の用紙が送られてきますので、
医療機関へ提出して書いてもらいます。
医療機関はどこでもいいというわけではなく、
膠原病・リウマチ専門医である医師にと決まっています。
この臨床調査個人票は、提出から2週間ほどで出来上がってきますが、
医療機関によっては封印されていることも。
封印されているから、見てはいけない。
そう思う方もいるでしょう。
でも、ご自身のことですから、思い切って開封して見てください。
ためらわず、どうぞ開けてみましょう。
私は必ずチェックしますよ。
服用中の薬や症状などが記載されており、
病気の進行度を示すステージが記載されているのがわかるはずです。
ステージは、6つに分類されています。
以下を参照してみてください。
ステージⅠ:口内炎・皮膚症状・外陰部潰瘍がある。
ステージⅡa:ステージⅠに加え、前眼部の腫脹や充血を伴う虹彩毛様体炎がある。
ステージⅡb:ステージⅠに加え、関節炎または副睾丸炎がある。
ステージⅢ:後眼部の網脈絡膜の炎症がある。
ステージⅣ:後遺症を残すであろう腸管・血管・神経病変を発症している。
妙脈絡炎以外の合併症がある。失明の恐れあり。
ステージⅤ:進行性神経病変を発症し、知能低下が中等度以上である。
ちなみに私自身、
ベーチェット病患者の中ではひどい方ではないと自負しておりました。
そこで臨床調査個人票を確認したところ、
意外にもステージⅡbに該当するとのこと。
真ん中あたりにいるんだな、と改めて確認できました。発症後、多くの方が関節炎まで発展するだろうと想像します。
ただ、ベーチェット病における関節炎がわかりにくいのは、
関節リウマチのように変形を伴わないから。
見た目でわからないと、患者の訴えだけがすべてとなります。
もし仮に、運動後の痛みを関節炎だと勘違いしたら?
それも、患者の主張だけが診断の基準となるのです。
えー、膠原病の診断ってそんなに曖昧なの?
そんな声も聞こえてきそうですね。
しかし、1つの症状だけにとらわれず、
一定の診断基準を設けていますから、関節炎イコール膠原病とはなりません。
後は、血液検査なども参考にしながら、
炎症反応の有無・白血球の増加なども見ていきます。
膠原病内科の診察では、指診や触診は一切ありません。
ほぼ、問診だけです。
日々の様子を患者から聞きながら、治療方針を決めていくのです。
痛みに弱い人・極端な怖がり・病気になったと明らかに動揺している。
そういった方は、日頃から相談できる人や家族に支えてもらって、
診察も同行してもらうといいでしょう。問診と投薬による反応を見ながら、
ベーチェット病の治療は進んでいきます。
時には、薬の増減を繰り返し。
悪化や寛解を行ったり来たりして。
年1回、特定疾患医療費助成制度の受給券更新が行われますが、
必要になる臨床調査個人票でしっかり診察してもらえているか、
自分の目で確認することができるチャンスでもあるんです。
普段、カルテを覗く機会はありませんよね。
たとえ、自分のカルテであっても、
病院側に開示してもらうには費用もかかります。
それよりも、
この臨床調査個人票を利用してチェックする方がおすすめです。きちんと診察してくれていたかな。
どこまで自分のことが反映されているだろう。
主訴は合っているか。
など、自分なりに記載内容を把握できます。
あと1つ言えることは、先生の性格が出ます。
書き方って、個性が表現されるもの。
ざざっと書かれている場合もあれば、楷書で丁寧に記載する先生も。
先生の性格診断にもおすすめです。
特定疾患の医療費助成制度とはいえ、臨床調査個人票には料金がかかります。
この辺りも、いずれ法整備されればいいなと思うのですが、
大きな病院では5000円ほど必要です。
いわゆる診断書と同じような料金を支払わなければなりません。特定疾患医療費助成制度は、
所得割合によって負担額が変わるのに、臨床調査個人票は病院ごとに一律料金。
なんとも矛盾を感じます。
非課税世帯の我が家では、1か月の医療費上限2500円であるのに対し、
5000円の文書発行料が発生します。
更新時期は、なかなか痛い出費です。
そうはいっても、
普段の診察ではあまり医師と話している時間もありませんよね。
本当に診察できたのか、
不安に駆られることもあるのではないでしょうか?
ぜひ、臨床調査個人票を見て、自分の目で確認してください。
ちなみに、特定疾患医療費助成制度の臨床調査個人票が書けるのは、
指定医と呼ばれる国が定めた医師だけです。内科医の誰もが書けるものではありませんので、
必ず受診前に制度を利用して更新などもできるか、問い合わせてみてください。
通院を始めたけれど、更新手続きができない病院だった……では、
時間も無駄になってしまいますからね。