
ベーチェット病には特殊病変があります。
血管ベーチェット、腸管ベーチェット、そして神経ベーチェットです。
今回は、神経ベーチェットについてご紹介します。
中枢神経を侵す神経病変は、脳や脳幹などに異常を起こし、
精神症状を引き起こして慢性化するとされています。
そのため、完全型ベーチェット及び不全型ベーチェットとは異なり、
特殊病変の中でも予後が悪くなる傾向があるとされています。
【神経ベーチェットの主な症状】
急性型(髄膜炎、脳幹脳炎)
片麻痺
小脳のトラブル
錐体路のトラブル(身体機能低下、勝手に体が震えだす)
認知症の発症
神経ベーチェットは主に男性が発症する確率が高く、
患者全体の1割に見られるとされています。
神経ベーチェットを引き起こす要因として、
眼病変の投薬治療に使われる薬がきっかけになっていることがあるようです。
髄膜炎や脳幹脳炎など急性型の初期症状では、
めまい・頭痛・高熱・麻痺が挙げられます。
神経ベーチェットが進行して慢性化すると、
ふらつきや言葉のろれつが回らないなどの神経症状と、
認知症や人格変化など精神症状をきたすとされています。
では、予後が悪いとされている神経ベーチェットの治療は、
どのような方法を取り入れているのでしょうか?
急性期には生命の予後・後遺症を考慮し、
大量のステロイドを点滴するステロイドパルス療法を行います。
ステロイドパルス療法後は、ステロイド剤の服用に切り替え、
効果を見ながら減量していく方法を取り入れています。
ステロイドパルス療法により、
一時的に免疫力低下を招く恐れがあり、
慎重な投与目的で入院して治療を行うのが一般的です。
慢性化した症状には、
ステロイド剤に加えて免疫抑制剤と生物学的製剤なども併用して、
経過を見ていくことになります。
普段とは違う症状が見られたら、
早めの診察と検査を受けるようにしてください。